プロフェッショナルが
考える「美の秘訣」とは

モニカ・ハリントン（以下、モニカ）：私はトリンプでの経験を含む30年以上に渡って、何千人という世界中の女性のボディを見つめ続けてきました。言わば“フィッティングのプロ”ですね。その立場から日本の女性たちにお伝えしたい「美の秘訣」は、 ランジェリーのデザインや色を楽しむ前に、まずは「正しいサイズを着けましょう」 ということです。

———「ワイヤーが食い込む」「ストラップがずり落ちる」といった声、私の周りでもよく聞きます。

モニカ：ご存知の通り、ブラジャーの機能は時代を追うごとに格段に進化しています。でも、実は時代も国籍も問わず、みんな同じ不満をブラジャーに抱えながら毎日を送っています。なぜなら、間違ったサイズを着けているからです。

エリカ・アンギャル（以下、エリカ）：実は私も、20年以上も間違ったサイズのブラジャーを着けていました。
母国のオーストラリアでは、8割の女性が間違ったサイズを着けていると聞きます。

モニカ：以前こんなことがありました。30代後半で第2子を出産したばかりの女性が、仕事に復帰することに。
でも産後に体重が増えたことで、体型が変化し泣きそうになりながら私のところにやってきました。
彼女のブラジャーは、アンダーサイズは大き過ぎ、カップは小さ過ぎで、まったく体に合っていなかったんです。

そこでフィッティングを行い、正しいサイズのブラジャーやショーツを着けてもらったところ、鏡に映った姿を見てみるみる自信を取り戻していくのがわかりました。
フィッティングで自分のあるべき美しさを知る、これこそが私が考える「美の秘訣」です。

エリカ：食も同じですね。「食べる量を減らしているのに痩せない」と言っている女性の多くは、
間違った食べ方をしています。世の中の「これがいい」という物が、すべての人にいいわけではありません。自分にぴったり合った食を知ることで、まずは健康になります。そして健康になれば、おのずと肌は輝き、気持ちも上向きます。

———自分を大切にすることこそが、「美の秘訣」だと言えるかもしれませんね。

エリカ：また日本女性の謙虚な姿勢はとても美しいものですが、それは心の話。PCやスマホ利用で、ボディの姿勢が猫背になっている人が多いのはちょっと残念ですね。
ポーズ（姿勢）は、実は自信とつながっています。簡単で効果的なのは、「スーパーマンポーズ」です。（会場の）皆さん、一緒にやってみましょう。

肩幅に足を開いて立ち、胸をぐっと開いて、手を腰に。
堂々としたこの姿勢を2分間続けるだけで、
“やる気”が起こるホルモン、テストステロンが増加し、
ストレスホルモンとして知られるコルチゾールが減少する というハーバード大学の研究結果もあるんです。

年齢やライフステージの
変化で揺れる女性たち

モニカ：ブラジャーを着け始める10代。スタイルに自信があり、例え間違ったサイズでも「これが好き！」と堂々とランジェリーを楽しめる20代・30代。そして、ボディが大きく変化するのが40代・50代です。特に更年期を迎えると、
1か月の中でも大きく体重が増減したり、気持ちもあまりハッピーでない時間が増えたりしますから、ランジェリーへの意識はここが第2のスタート。初心に帰って、もう一度フィッティングから始めてほしいのです。 ブラジャーもショーツも
正しいサイズを着けることが自信につながります。

以前、私のお客様に90代の方がいらっしゃいました。もうワイヤー入りのブラジャーは着けていませんでしたが、ノンワイヤーだったとしてもご自身のボディを大切に思う気持ちが強く、ランジェリーへの愛情も変わらず持っていらしたことが印象に残っています。

———食とライフステージはどうでしょうか。

エリカ：20代は夜中まで遊んでいても翌日にそれほど響かなかったり、ダイエットをすればすぐに効果が出るでしょう。
30代・40代になると新陳代謝が落ち、筋肉も減って太りやすくなります。そんな変化に対応する食への気遣いは大切ですが、 先ほどもお話したように自分に合っていることが大切で、無理は禁物です。日本女性は、どのライフステージでも 「痩せていればキレイ」という画一的な価値観が強くありますが、自分にとってのベストは年齢によって変わるもの。 まずは自分を知って、そして急激な変化ではなく毎日の積み重ねを大切にしてください。

モニカさん直伝、
正しいブラジャー選びの
7つのアドバイス

———モニカさんは一般のお客様だけでなく、セレブリティのランジェリースタイリングも担当し世界中で活躍されています。
そんなプロフェッショナルのフィッティング術、気になりますよね。
ここからは、今日から実践できるブラジャー選びのポイントをうかがっていきます。

モニカ：乳房には筋肉がまったくないことをご存知ですか？ブラジャーには「バストを支える」という大切な役割があります。
私も長い間携わっているトリンプは、1886年の創業以来、独自のメソッドで「正しいフィッティング」の重要性を伝え続けてきました。
今日はそんなトリンプフィッティングにプラス、30年以上の経験の中で見出してきた私ならではのティップスをまじえて、ブラジャー選びのヒントをお話したいと思います。